To:チームメンバーのみんなへ
私が常々疑問に思っているのは、
世の中の会社でよくある「社員の評価制度」です。
私の周りでも評価制度を取り入れている会社は結構あります。
問題は、社員のやる気に対して
その評価制度がプラスに働いていないことです。
おそらくその会社の社長や人事部は、
「適切に評価すれば、社員はより熱心に働いてくれるだろう」
みたいな思惑なのでしょう。
しかし私からすると、評価制度はプラスどころか、
マイナスに働いているようにさえ見えるのです。
では、なぜ評価制度を取り入れても
多くの会社はうまくいかないのでしょうか?
1つは評価する側に問題があるからです。
たとえば評価する側に「べき論」があって、
「営業担当者は顧客フォローを完璧にすべき」
みたいに考えていたとしましょう。
すると顧客フォローがどうしてもできない営業担当者に
低い評価をつけてしまいます。
ただ人間には得手不得手や好悪があり、
どんなに努力してもできない人もいるのです。
にもかかわらず、努力しても伸びない分野で
上司から成長を期待されてしまうと、
営業担当者にとって苦痛になりますよね。
また、問題はこれだけではありません、
評価される側にも問題があります。
私たち人間には「自己奉仕バイアス」と呼ばれる
認知のゆがみがあります。
これは「成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい」
と考えがちな傾向のことです。
ご参考:自己奉仕バイアス
たとえば、社長も含めて社員数が5人の会社があったとして
100の売上が出たとしましょう。
そのときに、社員1人1人にこう質問をします。
「あなたは会社全体で出した100という売上に対して
どれくらい貢献したと思いますか?」
すると、たいてい「30」と回答するのです(笑)。
これ、おかしいですよね。
社員が5人で、1人が30ずつ貢献したとしたら、
30の売上 × 5人 = 150の売上となって、
会社全体の売上の100を超えてしまいます(笑)。
このように、自己奉仕バイアスによって、
人は自分の貢献を過大に評価するわけです。
しかし、他人はあなたの貢献を適正に評価して、
「あなたの貢献度は20です」と言うことでしょう。
そうすると、「自分は30貢献しているのに、
20と評価されるなんておかしい!」と感じるのです。
このようにして、評価に対して不満を感じるのです。
そして、さらに最悪なのは、
社員の評価制度と給料を連動させることです。
そもそも、評価そのものに満足していないのに、
その“低い評価”に合わせて“低い給料”になってしまったら、
やってられないですよね!(笑)
「自分を評価する上司も、会社もクソだな!」
となってしまうのがオチです。
社員のやる気が上がるはずがありません。
ですので、私は評価制度には反対ですし、
もし評価制度を導入するとしても
それと給料を連動させないと思います。
舩津 泰志
欠勤や長期有給を取っているヒトより低く
評価された。
こんな制度はいらない。