To:チームメンバーのみんなへ
私たちの会社では普通の会社とはちがい、
意思決定の際に「文脈形成」の形をとります。
これは、プロジェクトの中で対話をして、
「こちらの方向に進んだ方が良さそうだぞ」
という文脈を作るわけですね。
そして、それがそのまま意思決定になります。
この方法は、フツーの会社で働いていた人からすると
面食らうことが多いです。
なぜなら、一般的には社長や上司の言う指示さえ
聞いていれば大体OKだからです。
エッセンシャルには、そういった指示がありません。
さて、この「文脈形成」と似て非なるものが
「合意形成」と呼ばれるものです。
合意形成はNPOなどでよくおこなわれますよね。
つまり、プロジェクトメンバー全員の合意があって
初めて意思決定がなされるということです。
これは多くの人の意見が大切にされる一方で、
明確なデメリットがあります。
それ全員の合意を取るために時間がかかってしまったり、
全員の合意を取ろうとするあまり
無難な意思決定になりがちだったりすることです。
私達がしている文脈形成での意思決定では、
必ずしも全員の合意がない場合もあります。
それはたとえば、誰かが何かの専門家で、
「こっちに進みたいです!」と言った場合です。
その場合、周りの人はその専門分野について理解できず、
「なんとなく不安」なので反対するかもしれません。
その場合、全員の合意までは行かないまでも、
「まあ、あの人に、ダメ元でお願いしてもいいかもね」
という文脈さえ作れればいいのです。
して、文脈形成こそがエッセンシャルにおける
リーダーシップの形の1つです。
いわゆるトップダウンの組織では、
「この方向に進もう!」と発言するのが
リーダーシップの形の1つでしょう。
NPOではみんなの合意を形成するのがリーダーシップで、
私たちはそれとは若干ちがうのです。