To:チームメンバーのみんなへ
昔、『統計学が最強の学問である』という、
統計学を礼賛するビジネス書がはやりましたね。
ですが、私は統計学が最強の学問だと思っていません。
場合によっては、統計学が最弱になるケースもあるからです。
その代表的な例が、今までにない全く新しい商品を
開発しようとする時です。
この時に統計学にもとづいて商品開発をすると
ろくなことにならないのです。
例えば、ガラケーがはやっていた、
2007年頃の日本を思い出してください。
当時、統計学を使い倒したマーケターが
市場のニーズをリサーチして、それを分析をして
ガラケーの新機種を作っていました。
その結果、日本のガラケーはどのメーカーから出てくるものも
同じようなデザインのものになってしまいました。
ボタンがたくさんあって、ワンセグがついた、
おサイフケータイです。
つまり、市場のニーズを統計で完璧に分析してしまうと
同じ結論にいたってしまうので、商品が同質化するのです。
その結果、どうなったかというと、
ご存知の通りアップルのiPhoneにやられてしまいました。
当時のiPhoneはホームボタンが1つだけで、
もちろんワンセグもついておらず、
おサイフケータイの機能もないのに、です。
そして日本のメーカーは煮え湯を飲まされ、
ことごとく携帯電話の市場から撤退することになりました
アップルでも、新商品を開発するときに
市場のニーズは調査するそうですが
それはあくまで参考程度とのこと。
最終的には自分たちが使いたい商品を出しているのです。
リサーチした市場ニーズをもとに商品開発をしてしまうと、
どうしても二匹目のドジョウ狙いになってしまい、
同質化することは覚えておきましょう。
まずは失敗を恐れずに新商品の試作版を作り、
それを実際に使ってもらって反応を見るのが
商品開発では一番重要です。
統計学を使うかどうかは場合によるのです。