To:チームメンバーのみんなへ
私たちのチームでは、
仕事の標準化を積極的にしません。
標準化とは、「これが正しいやり方です」と
作業のやり方を決めて、それをチーム内に情報共有し、
そのやり方を遵守するよう監督することですね。
基本的に、工場では標準化が進んでいることが多く、
「このネジは時計回りに720°回すこと」というように
作業のやり方が統一されています。
しかし、私たちはこれに与(くみ)しません。
これは近代の経営の常識から大きく外れています。
近代的な経営では、仕事をどんどん標準化していき、
誰でもできるような作業レベルに落とし込むことで、
会社の生産性を高めてきたからです。
では、なぜ、私たちは
標準化を積極的にしないのでしょうか?
それは仕事の中で得られる楽しさやフローを
重要視しているからです。
※フローというのは心理学の用語で、
「時間を忘れて何かに没頭している感覚」のこと。
言ってしまえば、標準化という「正義」のもとに
作業の特定のやり方を誰かから押し付けられると
私たちはモチベーション(やる気)が下がるのです。
フローや楽しさはモチベーションにとってプラスになりますが、
標準化による圧力はマイナスになります。
また、そもそも誰でもできる作業にすることは、
その作業をする人間が置き換え可能な歯車として
扱われることと同義です。
ぎょうぎょうしく言えば、非人道的ですよね。
その証拠に、高度に仕組み化された工場などでは、
人間がまるでロボットかのように働かされます。
これでは楽しさやフローを感じにくくなるため、
そこで働く人は可哀想だなぁと私は思いますね。
標準化を極端なレベルで突き詰めていった先には
人間が歯車になる組織が待っているのです。