To:チームメンバーのみんなへ
ビジネスでは、ステイクホルダー間の
(物理的/精神的な)距離が短いことが理想です。
※ステイクホルダーとは、ビジネスに関わる
すべての利害関係者のことで、顧客やスタッフ、
取引先、株主、コミュニティなどのことです。
「距離が短いことが理想」というのは、コストが減り、
スピードが速くなり、コミュニケーションが楽になり、
思いやりが増える、という意味です。
理想的な例としては、地方の商店街にあるような、
古くてせまい定食屋(とかスナックなど)です。
普通のレストランの場合、
「お客さんのコップに水をつぐ」という行為は
お店のスタッフがやることですよね。
ですが、古い定食屋の場合、お客さんとお店の距離が短いので、
お店が混んでいると常連客が他のお客さんに対して
水をついでいることもあります。
つまり、常連客がお店のスタッフの代わりに
働いているわけです。
また、その定食屋が急に定休日をとったとしても、
常連客は「まぁ、あのオヤジだからしょうがないか」と
許してくれる場合もあります。
それとは正反対なのが、大企業が経営するお店です。
とにかく、お客さんとお店の距離が長い。
たとえば、私の家の近くのローソンです(笑)。
あるとき、深夜の清掃のせいで
5時間ほど店を閉じていたのですが、
そのときは1週間ほど前から
「清掃のため、●月●日の深夜に5時間の閉店をおこないます」
とローソンの店先にて張り紙で知らせていました。
すごくコミュニケーションコストがかかっています。
このように、ステイクホルダー間の距離が短いほど、
お互いに思いやりが生まれます。
逆に、距離が長いほど、思いやりは消えて、
お金のやり取りで解決しようとします。
その最たる例が株式市場です。
投資家は、投資先の会社の社長に対する思いやりは弱く(笑)、
自分の金銭的なリターンをとにかく増やそうとします。
そしてその投資先の会社で働いている社員に対しては、
ほとんど思いやりがない非情な状態でしょう。
つまり、人間の行動原理はこう表現できます。
「距離ゼロで思いやりが最大化するが、
距離が長いと思いやりが小さくなって銭ゲバになる」。
私たちは、できる限りステイクホルダー間の距離を短くして、
密着した経営を目指しています。