To:チームメンバーのみんなへ
私が常々感じるのは、ミッションとは接着剤であり、
メンバーをチームにくっつける役割がある、
ということです。
私が今日紹介するのは、
「Googleが中国から撤退したときの話」です。
Googleの使命は、「世界中の情報を整理し、
世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」
だと創業者が発表していますよね。
しかし、Googleが中国に進出した際、
中国政府は「民主化や少数民族問題について
検索結果では非表示にするように」と検閲しました。
つまり、「Googleの検索結果には
中国政府にとって都合が悪い情報は
絶対に載せないように」と命じたのです。
けれども、そんなことをしてしまったら、
Googleは己の使命を犯さないといけなくなる。
検索ユーザーは、中国政府にとって
都合が悪い情報へアクセスできなくなるからです。
そのため、Googleの経営陣は
巨万の利益を吐き出すであろう中国市場からの
撤退を決断したのです。
その決断を社内で発表した結果、Googleのメンバーたちは
スタンディングオベーションをしてそれを称賛した
ということが知られています。
このことはGoogleの歴史上、もっともむずかしい
意思決定だったと言われています。
さてここで、歴史にたらればはありませんが、もし仮に
「Googleが中国から撤退しなかったら」について
考えてみましょう。
これは私見ですが、もし撤退しなかったら
Googleのメンバーの多くが離職したことでしょう。
「この会社って、使命を掲げてはいるけれど、
結局お金のためにビジネスしているような
クソな会社なんだな」と見限って。
義のために働いている優秀な人ほど、
組織が義を失って、利に走った瞬間に去っていくからです。
そして、拝金主義の奴隷だけが会社に残るわけです。
このことは私も強く意識しています。
もし私がミッションからかけ離れた行動をしたら、
多くのメンバーが去っていくだろうと感じています。
そして、拝金主義の奴隷だけがチームに残るでしょう。
ですから、その会社がどれだけ忠実に
ミッションを遵守しているかは、
離職率をみればわかります。
私が知る限り、離職率が高い会社は、
見かけ上は高邁なミッションを掲げていても、
実際は拝金主義の奴隷に堕しているからです。