To:チームメンバーのみんなへ
三菱自動車が2000年にリコール隠しをした結果、
横浜母子3人死傷事故や山口トラック運転手死亡事故などの
いたましい事故が、2年後に立て続けに起きました。
池井戸潤さんはこれを『空飛ぶタイヤ』という小説にして、
のちに映画化もされました。
しかし、さらに2年後の2004年に
またも三菱自動車のリコール隠し事件が発覚します。
この事件を知った人の多くは、
「本当にクソだな、殺人自動車を作る会社は潰れろ!」
と思ったことでしょう。
さて、なぜ同じようなリコール隠し事件が起きたのでしょうか?
それは組織において、問題の責任者のクビを切っても
文化が変わらないかぎり同じ問題が起こるからです。
三菱自動車の文化が上意下達になっていて、
上司に悪いことを報告できないような文化だと
リコール隠しのようなことは絶対にまた起こるのです。
では、これを私たちに置き換えて考えてみましょう。
何か問題を起こした人がいた時に
私達はその人を責めたくなる心理を持っています。
ですが、本当に問題なのは私たちの文化そのものであって、
その人ではないのです。
その人をいけにえ(スケープゴート)として処罰したところで
三菱自動車のように同じ問題が起こるからです。
しからば、何か問題を起こした人を
処罰しないようにしましょう。
また、問題を起こした人が、その罪悪感から
「今回の件は私の責任なので、私が罰を受けます」
と言ったとしても、それを止めましょう。
繰り返しになりますが、組織の文化の変えない限り、
誰かを罰しても再発防止はできません。