To:チームメンバーのみんなへ
心理学用語で、二重関係というものがあります。
これは「臨床家─クライアント」という関係以外で、
別の人間関係も同時に結ぶことを指します。
ご参考:カウンセラーのタブー
ただ、私たちのチームでは、
「臨床家─クライアント」という関係ではないものの、
二重関係になってしまう場合があります。
なぜなら、ティール組織では、
内と外の境界線が希薄だからです。
たとえば、私たちのビジネス講座の参加者と、
一緒にビジネスを始めるような場合を考えてみてください。
つまり、同一の人と、
下記の2つの関係になってしまいます。
一重目:私たち─講座の参加者
二重目:私たち─ビジネスパートナー
こうなると、ビジネスパートナーとして対等に付き合うときも
まるで講座の参加者であるかのように
師弟関係として振る舞ってしまう場合があります。
これは、心理的なもつれを生みやすいので
あまり良くない場合があります。
では、こういったときはどうすればいいと思いますか?
それは、関係者と下記のようなことについて
繰り返し話し合うことです。
・この関係で、どういうリスクが考えられるのか?
・この関係で、どういう振る舞いをしてしまいがちなのか?
・どういった状態が、お互いにとって理想なのか?
こういったことを関わる人達がしっかり認識していれば、
心理的なもつれは起こりにくくなります。
なお、蛇足ですが、業界の中には
“あえて”二重関係を作ろうとする、
倫理観が欠落したセミナー講師もいます。
「自分の講座の参加者とビジネスをすれば
ビジネスパートナーと言えども、自由に操れる」
みたいな、エゴセントリックな考え方からです。
私たちはそれに与(くみ)しないようにしましょう。