To:チームメンバーのみんなへ
一般に、企業努力という単語は良い意味で使われます。
テレビなどのメディアが、ある商品を紹介する際に
「原価が高騰していますが、企業努力によって
昔と同じ価格を維持しています」というように。
しかし、私に言わせれば、これは極めて悪質です。
そもそも企業は努力をするものですし、
原価が高騰すれば価格も高騰するものだからです。
では、どうやって価格を維持しているのか?
一つは、消費者を騙すこと。
スーパーやコンビニなどのお弁当において、
「上げ底」をしてボリュームを多く見せる、など。
上げ底などは、ある程度の範囲を超えると
騙していると言われても過言ではないでしょう。
もう一つは、社員や取引先に自己犠牲をしいること。
企業努力と言っている会社の社員を見ると、
給与が何年も上がっていなかったり、
サービス残業をさせられていたりしますから。
または、取引先を叩くなどして、
価格を維持しようとする場合もあります。
いずれにしても、とても良いことではありません。
つまり、企業努力とは価格を維持することではなく、
「価格を上げること」と私は信じています。
もちろん、単に値上げをしただけでは
ただのボッタクリになってしまいますから、
その分の価値を付加するのが本当の企業努力です。
値上げをすれば、社員の給与を上げたり、
取引先に還元したりできます。
これは、ミクロで見ても、マクロで見ても同様です。
マクロ経済学で見ても、物価が上がれば
それにつられて(時間差はあるものの)
ほぼ平行して所得が上がります。
過去20年以上にわたって日本人の所得が横ばいなのは、
過去20年以上にわたって物価が横ばいだからです。
アメリカなど、所得が断続的に上がっている国は
物価も断続的に上がっています。
ともあれ、企業努力という錦の御旗の元に
消費者を騙し、社員や取引先に自己犠牲をしいるのは
私の美意識からすると非常にダサい。
もし、そうまでしないと価格を維持できないとしたら、
その会社の存在理由はないと私は考えます。