To:チームメンバーのみんなへ
最近は、「弊社は多様性のある会社です」とか
「多様性のある社会を目指します」といったことを
うたう人が増えてきました。
これ自体はとても素晴らしいのですが、
1つ注意してほしいことがあります。
それは、多様性が保たれた状態は
「あなたにとって不快かもしれない」
ということです。
もっと具体的に言うと、
「あなたが最も嫌いな人を受け入れないと、
多様性は保てない」と言えるでしょう。
たとえば、週に1回しか風呂に入らない、
アフリカかどこかの国の人がいたとしましょう。
しかし、日本人は清潔な人が多いですから、
毎日シャワーか風呂には入りますよね?
そうすると、当然ですが、
週に1回しか風呂に入らない人って
体臭がかなり臭いわけです。
多様性がない以前の日本社会なら
「お前は体臭が臭いよ! 風呂入れよ!」
と言えたかもしれませんね。
しかし、多様性を保つためには
「風呂にあまり入らない文化や価値観もあるんだ」
と理解する必要があります。
もっと言えば、「風呂に入れよ」と
本当は言いたかったことを飲み込む必要が出てきます。
なぜなら、「風呂に入る」という価値観は
全人類にとっての共通善ではないからです。
この風呂の話はあくまでも例ですが、
言いたいことはわかりますよね?
価値観、性別、年齢、職歴、学歴、外見、国籍など、
あなたとはちがった側面を持った人を
受け入れることが多様性です。
そして、その中には、あなたにとって嫌いな人も
間違いなく含まれているはずです。
ですから、多様性をうたう人間は試されているのです。
「お前は、嫌いな人間を受け入れる度量があるのか?」と。
「多様性をうたうからには、まずお前が見本として、
嫌いな人間を受け入れる覚悟があるのか?」と。
つまり、あらゆる側面を全肯定している人でないと
多様性なんて保てないのです。